フランスの大学の成績システム

こんにちは、バゲと申します。フランスの国立大学に修士課程で留学し、修了しました。

この記事では、フランスの大学の成績システムについて解説します。フランス留学に興味がある人に届けば嬉しいです。

フランスの大学の成績システム

フランスの成績は、20点満点方式で決められます。(大学だけでなく他の多くの試験でも)

20点満点のうち10点を取ることができれば合格ということになります。

ここで面白いのが、学期・学位を終えるためには、「各授業で10点以上取る必要」は全くなく、「全体の平均は10点以上であれば合格」という点です。

例えば、今学期5つの授業があったとして、「8点」「6点」「9点」「12点」「15点」をそれぞれの授業の成績としてもらった場合、合計得点は「10点」となり、無事修了したとみなされます。

テストでいくつか大失敗したとしても、他の科目で挽回することができれば、問題なく学期・学位を終えることができます。

単位を落とすという概念がない

基本的に必修科目という概念もありません。

ある特定の単位を落とした瞬間に留年が確定するということもないので、単位を落とすという概念もありません。

つまり、合計平均が10点を超えるか超えないかという、はっきりとした白黒で成績が判断されます。

日本人学生が陥りがちな罠

教科ごとに「係数」がある

落とすことで留年が決まる必修科目はありませんが、数ある授業の中でも「大事な授業」「大事でない授業」があります。

授業の重要度の差はどういうことかというと、各授業の科目に重要度に応じて成績に「係数」が存在します。

つまり、平均を出すときに科目を全て均等に並べ平均を出すのではなく、「科目成績」×「係数」の平均が、最終的な成績に反映されます。

係数が高い授業で10点未満の成績を取ってしまうと、他の科目の成績で取り返すのがとても難しくなります。

どの授業で本気をだし、どの授業では手を抜くかという戦略が必要です。

基本的に、自分の専門に深く関係した基礎科目は係数が高く、専門から少し離れる科目では係数が低くなる様子です。

美術史専攻の私の場合、「現代美術史」のような科目は係数が高く、「英語」「デジタルリテラシー」のような科目は係数が低めに設定されていました。

20点満点はまず取れない

20点満点で評価されるフランスの成績ではありますが、まず20点満点を取ることはできません。

フランスでは、18点が事実上の満点のような役割を持っています。

満点でなかったからといって、何か落ち度があるわけではないです。そういうものらしいです。

私も2年間のフランス留学中、取った成績で一番良かったものは18点でした。

フランス留学に行く人へのアドバイス

成績を取るためのストラテジーを練る

前述しましたが、フランスの成績システムには、重要な授業とそうではない授業があります。

結果が全体の評価に大きく関わる高係数の授業ほど、失敗することはできません。

逆に係数が低めで、失敗してもダメージが少ないものに努力する必要はありません。

ただでさえ、日本人留学生であり、他のフランス人学生に比べてハンデがあるので、学期末の評価の時期には戦略を立てる必要があります。

成績評価に「出席」「参加」がある場合、積極的に参加する

科目の中には、成績評価に出席点、参加点がある場合があります。

授業への出席度も成績評価に加味される場合、テストで失敗してもいいようにあらかじめ保険をかけることができます。

例えば、グループワークでどんなことを話したかまとめたものを送ってみたり、授業に関係した内容のものを自分の形でレポートにしてみたりすることで、評価が上がるかもしれません。

私の場合、授業後に授業をまとめたレポートを私の視点を交えて記述したものを、担当教授に提出したりしていました。