全く家を決めずにフランスに留学に来たら、後悔した話【フランス留学日記】

こんにちは。バゲと申します。

フランスのリヨンというとして修士課程を行なっている学生です。

今回はフランス留学に興味があるという方に向けた体験談となっています。

実は私、フランスで留学するために現地に着いた際、住む家を決めずに来ました。

もともと海外旅行が好きで、海外の生活に少し慣れていたので、その調子でフランスに来てもなんとかなるっしょ!という気持ちでいました。

実際にフランスに到着してから家を探し始めると、なかなか大変で、家探しが決まる前も、決まった後も「もっとこうしておけばよかったな」「早めに動けばよかった」という後悔がありました。

今回の記事ではフランスに留学に来る人向けに、私の失敗体験談をご紹介していきたいと思います。

最後にこれからフランスに来る人向けにアドバイスもいくつか載せているので、ぜひ最後まで読んでください。

何も知らない状態で始まった家探し

私がフランスに来たのは、2022年の夏、8月の終わり。

フランスの新学期は9月から始めるので、かなりギリギリの状態でました。

フランスの学生(国立の大学に行く学生)は、年度を跨ぐごとに学校、都市を移動することが多いので、9月が近づくと学生むけの物件はかなり埋まります。

多くの学生が物件を争奪しあう状況でフランスに来たわけですが、

まあ、なんとか見つかるでしょ!

というような気持ちでいました。

私が希望していた条件は、以下の通り。

家探しの希望
  • 一人暮らしの物件
  • 中心部には20分以内で行ける
  • 家賃は400ー600ユーロくらい

当時は円高傾向にもあったため、家賃には比較的余裕がありました。

また、学校がリヨンという地方都市にあったので、家探しもパリよりは簡単かなと思っていました。

外国人留学生はフランス公営の学生寮である、「Crous」という物件に入ることもできます。特に日本の交換留学性が入ることが多いようです。

しかし、倍率も高く奨学金をもらっているフランス人学生に優先的にあてがわれるということで、日本人の正規留学生である私は、そもそも物件をねらいませんでした。

「普通」の家に入れない・見つからない

実際に家探しを始めると、たくさんの壁にぶつかることになります。

家探しでぶつかる壁
  • 保証人の問題
  • 中心部に物件がもうない
  • 詐欺物件の多さ

保証人の問題:外国人学生は保証人が見つけられない・見つけづらい

外国人留学生である私にぶつかったのは、保証人の問題。

多くの物件では、賃貸契約を行う際に、契約の保証人に関する書類を提出をしなければいけません。

フランス人学生、若いフランス人労働者は、自分の家族、特に両親の年収の書類を見せることで、保証人になってもらいます。

しかし、私のような外国人学生は家族が海外に住んでいることが多いので、家族を保証人に立てることができません。また、保証人がいない場合、賃貸契約はかなり難しくなります。

フランスに家族がいない外国人留学生に残されている道は主に二つ。

外国人留学生が保証人を立てる方法
  • 銀行口座に一定のお金を入金、お金をブロックして保証にする(銀行保証)
  • 公的な保証人サービスを利用する(公的保証)

この他にも、家賃をまとめて払うなどの方法もあります。また、社会人でまとまった収入がある場合は、保証人を立てなくても大丈夫な場合もあるそう。

銀行口座にまとめてお金を入れブロックすることができなかった私は、公的サービスを利用する一択でした。

具体的には「Visale」というサービスを利用。

主に18歳から30歳の若者に向けて、公的機関が保証人になってくれるというサービスです。

多くの日本人留学生はVisaleをはじめとした公的保証人サービスを利用することになります。

自分の身の回りでも、保証人をうまく立てることができず、Visaleを利用しながら物件に住む人が多かったです。

しかし、この公的な保証人サービスは、多くの不動産仲介会社、私立学生寮では使えません。

Visaleのようなサービスを使っているということは、フランスに保証人がいない、家族に頼れないというような状況の裏返しであるため、多くの物件は公的保証人サービスを断ります。

その結果として、不動産仲介会社や私立学生寮では、Visaleをはじめとした公的保証人サービスを受理せず、フランスに実際にいる保証人を好む傾向にあります。

実際、さまざまな不動産会社、私立学生寮に、書類を提出しましたが、

「Visaleは受けつけていません。

というような返答しか来ませんでした。

保証人が建てられないという時点で、不動産仲介、私立学生寮に入る選択肢は無くなりました。

残された選択肢は、比較的Visaleも受け付けてくれる、「不動産仲介会社を挟まずに直接大家と交渉する方法」か、「シェアハウスに入る」かという選択肢になりました。

8月には中心部の物件は、ほぼ取られている

保証人を立てることができないため、直接大家と交渉する物件か、シェアハウスに入るという選択肢しか残されなかったのですが、それでも家探しは難航。

そもそも、8月の段階で中心部の物件は予約されているか、すでに入居されていることが多く、家のアナウンスも少ない状況でした。

唯一残っているのは、中心地から30分以上離れた郊外の物件ばかり。

どれもあまり綺麗ではなく、家賃も安いとは言えないものばかりでした。

簡単に言ってしまうと、「人気でない」物件しか残らないわけです。

詐欺物件のアナウンスも多いので注意

8月のほとんど物件が残っていない状況でも、「中心部」「家賃やすめ」「綺麗め」の物件のアナウンスが出ることもあります。

そのような詐欺は、内見をさせずに保証金を掠め取る詐欺。

家を確約させるために、家の保証金の入金を急かし入金された瞬間に消えてしまうそうです。

私が物件を探していた時期に、実際に「詐欺だろうな」というアナウンスをいくつも見かけました。

結局、郊外の家でシェアハウスをすることに。

そんな家が見つからない状況で、なんとか郊外のシェアハウスの内見に辿り着きました。

中心部からメトロ、バスに乗り継ぐ必要があり、自分の希望している条件とは全く異なっていましたが、大家さんの感じも良かったので、そこで契約することに。

自分のもともと希望していた条件とは大きく離れる物件でした。

実際に入居した物件
  • シェアハウス
  • 中心部から約1時間
  • 家賃は350ユーロ程度

家賃が若干安めだったことが唯一の救いかなという条件の物件でした。

なんとか見つけた物件も「うーん。。」という感じ

実際に住んでいた物件の写真

実際に見つけた物件は、比較的部屋も広く、キッチン、水回りも綺麗で快適な物件でした。

外にはテラスもあり、はたから見ると良さげな感じで、契約を交わした際には、なかなか嬉しかった記憶があります。

テラスもありましたが、実際には蚊がめちゃくちゃいたので、ほぼ使いませんでした。

しかし実際に住んでみると、この物件がなぜ8月になっても、契約されず残ってたのかがわかるようになってきました。

やはり、8月になっても残るような物件であることがわかってきたのです。

住んでみてわかった物件のダメポイント
  • 窓が少なく、天窓しかない
  • 治安がとても悪い

部屋から直接、外が見れず圧迫感があり、くつろげない

内見の際には、部屋の大きさしか見ていなかったのを後悔。

実際に住んでみると、窓の少なさに直面します。

部屋には斜めの天井に一つだけ空いた天窓しかなく、外をみることができない環境でした。

外を見ることができないと、せっかく部屋自体は広くても、部屋の中の閉鎖感が高まり息が詰まるようになりました。

また、夏、秋はまだマシだったですが、冬になってくると部屋に差し込む光が激減。

フランスは、冬になると天気が悪くなり、日照不足で精神的に辛くなってきます。

部屋の日照の少なさが私のメンタル状況に直撃し、かなり辛い1年目の冬を過ごすことになりました。

治安が「とても」悪い地域であることがわかった

私が住んでいたのは、リヨン郊外の「Venisseux ヴェニシュー」という地域でした。

住んでいるうちに、この地域は移民系の家族が多く、比較的治安が悪い地域であるとわかりました。

住んでいる地区の中心部で数年前にテロ攻撃もあったことも、引越ししてから知りました。

幸い私は男性で体も大きい方なのですが、それでも夜に一人で歩いていると、怖いと感じることもありました。

また、街の中にでは大麻の匂いが立ち込めていて、道路脇でたむろしている若い子たちも多く見かけました。

このような状況では、生活をしているだけでも警戒心を怠ることができず、安心して生活することもできませんでした。

一度、バスの中で堂々と大麻を吸っているヤバいやつに遭遇したこともあります。

街中で大麻を吸っている人は、フランスならまあまあいるのですが、バスの中で吸う人は、本当に「ヤバい人」で誰も注意できる状況ではありませんでした。

※大麻はフランスでも違法です。

結局、半年も経たずに引越しをすることに。

このような理想的とは言えない状況で過ごすこと半年。

ただでさえ、大学院の授業もあり忙しい中で、家に関するストレスも溜まっていく一方でした。

この家に住んだ当初は、大学院生活の2年間、この家で過ごしてもいいかなと思っていましたが、結局もう一度引越をすることに。

あらためて、2023年の2月ごろに「一人ぐらし」「中心部」という条件で引越をすることにしました。

引越を決めた際は、かなりストレス状態も高まっていました。。

2度目の家探しについてはまたの機会に書こうかなと思います。

フランスに留学に来る人へのアドバイス

家探しは、費用・時間に余裕を持って

早めに家は探しましょう。この一言に尽きます。

フランス人の保証人がたてられる場合は、比較的遅く動き始めても大丈夫かと思いますが、Visaleを利用して大家と直接契約、シェアハウスを行う場合は、早めに動き出さないと、いい物件はまず無くなります。

できるだけ早く動き、入居の数ヶ月前から契約をして物件を押さえておく、フランスに渡航する前からすでに物件を契約しておくことも視野に入れてもいいと思います。

渡航の前に契約すると、その分家賃を無駄に払うことにもなりますが、よくない物件をつかまされるよりはマシ。

とはいえ、そもそもVisaleを申請するためには、フランス渡航のビザが必要。

ビザが届くのが結構渡航のギリギリになってしまうので、そもそも家探しをする状況にもないんですよね。こればっかりはどうしようもないです。。

自分がいく地域の日本人学生にコンタクトをとってみる

おすすめの方法は、自分が行く地域に留学している学生にコンタクトをとってみることです。

すでに住んでいる日本人留学生は、その地域で家探しを終えている人が多いですし、地域の治安情報、家探し情報に精通しています。

家探しだけではなく、日本人コミュニティに参加するきっかけにもなってくれるはず。

X、インスタなどのSNSで「留学 ○○(留学先の都市)」と日本語で検索すると、その地域ですでに住んでいる日本人留学生の情報がヒットするはずです。

日本人の学生に声をかける際に「迷惑かけそうで怖い。申し訳ない。」と思うかもしれません。

しかし、声をかけられる日本人学生側も、同士が増えるようで結構嬉しいので、安心してください。

実際にわたしも、何人かの日本人留学生の人にメッセージをもらったことがあり、いくつかアドバイスをさせていただきました。