フランス語学習者の方でDELFB1の合格を目指している人、DELFB1の勉強をしているけど、具体的にどんなふうに勉強を進めれば良いのかわからない人向けの記事です。
フランス語の中級資格であるDELF B1。
フランス語を勉強している方は、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。日本の組織が主催している「仏検」と異なり、フランスの組織が運営している「DELF DALF」は、日本のみならずフランスへ留学するときなどに使うことができ、多くのフランス語学習者の目標の一つでもあります。
私自身、仏検ではない、国際的なディプロムが欲しくなり、DELFの試験を受け始めるようになりました。明確な学習方法がない中で試行錯誤を繰り返し、2019年に独学でDELF B1に合格。
この記事は、そんな私がどのように DELF B1に合格したのか、その勉強方法とコツをまとめてみました。フランス語を勉強している人にとって、役に立つ情報をたくさん載せたのでぜひ最後まで読んでみてください。
- 試験の2、3ヶ月前:ニュースサイトで、一般的な知識と語彙学習。
- 試験の直前:B1専用の問題集や参考書などを購入して、DELF対策。
DELF B1の合格に必要なフランス語レベル
実際にB1の学習方法を確認する前に、B1とはどんな試験で、どんなレベルが必要なのかを確認しましょう。DELF DALF試験の運営となっている「日本フランス語試験管理センター」の公式ウェブサイトによると、DELF B1の合格のためには以下のようなスキルが必要であるとされています。
DELF B1レベルでは、使用者は自立可能になります。やりとりを維持すること、議論を理解、継続し、自分の見解や意見を述べることができます。日常生活の予期せぬ状況にも対処できます。
https://www.delfdalf.jp/b1/b1_jp.php
フランス語自体の能力に加えて、自分の考えていることを述べることも重要視されているということであり、あくまでフランス語を「適切に使用できるか」が試験の焦点であることがわかります。
例題をみると「運用能力」が重視されている。
例としてDELFの筆記試験(Production écrite)をみてみましょう。
仏検のような日本語を仏文に直接的に訳すような問題ではなく、ある程度長い文章を読んで設問に適切に返答する手紙や記事を書くフランス語運用能力を問うような問題が出題されます。
実際に公式サイトで提示されているのはこんな問題。
Vous avez passé un mois en France pour étudier le français. Vous avez habité chez une famille française. Vous écrivez un article pour le journal de votre université afin de montrer les avantages et les inconvénients de cette cohabitation. (160 mots)
「あなたはフランス語を学ぶためにフランスで一ヶ月過ごしました。フランス人の家庭に滞在しました。あなたはこの滞在方法(ホームステイ)の利点と難点を述べて、あなたの大学の新聞に載せる記事を書きます。」(160字)
https://www.delfdalf.jp/b1/b1_jp.php
出題された問題に自分で答えを作り出して答えるというタイプの課題の文章に、筆記試験の時間いっぱい使って取り組むことになります。フランス語を使って何かを伝える、理解するというような問題が、試験問題の多くを占め、文法事項のみを聞く問題はほぼ出題されません。
論理が通っているで加点する採点項目もあるため、文法に少し間違えがあっても論理が通っている文章の方が点数が高いです。
フランス語『を』理解するよりも、フランス語『で』理解する力を伸ばすべき。仏検とは異なる対策が必要。
対策の方向性、勉強するべきポイント
DELFで問われる語彙力は英語で言うところの受験英語や TOEICのような特殊なものは使われず、普通の日常会話で使われるようなごく一般的な単語が登場。DELF試験は「フランス語を使う力を測る」ものです。
私は以前受験した仏検の単語集を最初の方は活用していましたが、最後の方に載っているような難しい単語は覚える意味があまりないと感じ、途中から利用しなくなりました。
難しすぎない一般的なフランス語の文章を多く読み、よく使われる語彙や文法事項の学習に専念することで合格が近くなります。
仏検や英検にありがちな「ある特定の一つの単語の意味を捉えられないと意味がない」というような問題も出題されません。何かわからない単語、部分があっても前後の情報から推測できるように、類推能力を鍛えましょう。
聞き取りの問題では話し手のイントネーションからその話題が、ポジティブなものか、ネガティブなものか理解できます同じ単語を言い換えをしながら繰り返し出てくるため、聞き取れなかった部分を推測しながら理解できるようになりましょう。
「言葉の言い回し、使い方で話し手や書き手が何を言おうとしているか予測する」能力が大切!
私がした具体的な勉強方法
- 試験前の期間:ニュース記事などを読み込んだり、ラジオを聞いたりすることで、基礎的な文章の読み取りと聞き取りの学習を進めました
- 試験直前:過去問をといて実際の試験の感覚を養いました
学習を大きく分けてふたつに分けました。
他の筆記と面接の対策は、直前の対策にとどめ、時間のかかる「読み」と「聞き取り」に時間を割きました!
読んだり聞いたりすることのできない単語や文章は、絶対に書いたり話したりすることができません。自在に読める、聞けるものは自然に話したり書いたりすることができると言えます。
筆記試験対策に使ったモノ
試験三ヶ月前から試験三週間:基礎力を伸ばす時期
基礎力を鍛えるために使用した教材は主にふたつ。
二つのフランス語ウェブサイトは、比較的簡単なフランス語で「ニュース」を読んだり聞いたりすることができます。フランス語を使って情報を集めるといった、DELF試験が図っているフランス語の活用法を伸ばすことができます。二つのニュースサイトのみで読みと聞き取りの能力を伸ばすことができます。
文章理解の中核となる語彙を強化しながら新しい語彙に出会う言語学習において最も基本的な方法で学習を進めることができます。
ニュースサイトを利用しながら、「自分が知らなかった初めて出会った単語」を単語帳に書き出し記憶していきます。ここで記憶できなくても、知らなかった単語は他のニュースで何度も出会っていくので、自然に覚えていけるでしょう。
ニュースサイトはフランス人の子供が読んでも簡単に理解できるような簡単な表現では書かれています。きちんと文章の構成が、フランス語の文章として考えられた、ちゃんとしたニュースなので、フランス的論理の展開力を身につけることもできます。
覚えた単語を確認しながら、ニュース全体を音読していくと、文章を作る能力も引き上げることができます。
- 基礎的な語彙に触れることができる
- フランス語特有の文章構成に慣れることができる
- 言いたいことを簡潔な表現で言い表すことができる。
そもそもニュースサイトがわからないという人は、基礎語彙力が不足している可能性があります。最初は辛いかもしれませんが、まず語彙を頭の中に入れ込むと学習ペースが上がります。一冊あると便利なので手元に置いておくのも良いでしょう。
※単語帳を購入する際は、「仏検対応でないもの」がおすすめ。仏検対応の単語帳は仏検に合わせて編纂されているため、語彙が少し偏っています。
基礎力向上におすすめのニュースサイト
- 大まかに何を言っているのか推測しながら読む
- わからなかった単語を確認する
- 最後に音読する
試験直前の対策
試験が近づくと過去問や問題集を使っていきました。
- 参考書、問題集
- DELFB1対策教材
おすすめの方法は一回自力で解いてから答え合わせをし、さらにその後にまた解き直すという二回形式の進め方。そうすることで、自分がどこが間違えたのか、どうすればよかったのかを客観的に分析することができます。
まとめ
- 基礎力は基礎力を鍛える。(ニュースサイトがおすすめ)
- 直前対策は対策本で試験に備える
一般的なフランス語能力を高めるために、ニュースサイトを多読、聞き取りをすることで、語彙力のコアを形成し、DELF B1試験に合格することができます。
基礎力を養成してからその後に試験対策を進めるようにすると、効率的に独学でもB1に合格することができます。
この記事を見ている皆さんは、基礎力をまず第一優先で鍛え、その後にDELFの問題集をといていくようにしましょう。
記事で紹介した商品
これらの学習教材は、いずれ必要になるので早めに手に入れておきましょう。
現在、フランス語の資格をとったことを生かしてフランスの大学院に正規留学をしています。フランスの大学のシステムと日本の大学のシステムの違いや、フランスの生活についての記事も書いています。ぜひ他の記事もご覧ください!
この記事は「DELF B1に合格したい!!」という方向けて、実際にDELF B1に合格した筆者が実体験を元に書いています。