日本人留学生が見るフランスの治安事情【フランスエッセイ】【フランス留学】

こんにちは。バゲちゃんです。フランスで修士の文系大学院生をしています。

大学院生活を始めて、はや1年近くが経ちました。最初は日本との違いになれず、右往左往していた毎日でしたが、フランスでの生活にもやっとなれてきました。

具体的な大学院生活は、このブログの他の記事にも記載しているので、ぜひよかったら他の記事もご覧ください。

さて、今回、このコラムで紹介したいのは、フランスの治安事情。

私が実際に留学していて肌で感じたフランス、特にリヨンのような都市での生活を紹介します。

旅行や留学をするときに一番気になるのは、現地の治安です。現地での滞在がどんなに楽しくても、現地で犯罪に巻き込まれてしまうと、全てが嫌な記憶になってしまいます。

自分のお子さんが一人で海外に行く時などは気になります。海外経験がない人が急にフランスのような日本から離れた西洋の国に来る場合は、心配になる気持ちも分かります。

実際に、私もフランスで生活をし始める前までは、現地の治安状態に不安を抱えていました。

この記事では実際にフランスに住んで肌で感じたフランスの治安事情、犯罪事情を僕なりの目線でご紹介したいと思います。ぜひ最後まで読んでください。

フランスの治安は、やはり日本ほど良くはない

フランスの治安は、日本ほど良くないです。

フランスで生活し始めてまだ1年も経過していませんが、日本で生活していた時とは比べものにならないくらいの「犯罪」を目撃してきました。

それでも私はリヨンという比較的治安の良い都市の治安の良い地域に住んでいるので、まだマシな方だと思います。

フランスでよく見る犯罪
  • すり、置き引き、万引き
  • 喧嘩、暴行
  • ドラッグ

特にフランスではマルセイユをはじめとした南部は一般的に「治安があまり良くない地域」とされています。

南仏の人気の観光のニースでは数年前に、「自動車で海岸線の歩道に突っ込む」というテロ行為がおき、フランス中を震撼させました。

フランスでは失業率の高まりにより徐々に軽犯罪が増え始め、街中での警察官の警備も増えました。

昨今のフランス政府が行なっている不法移民の取り締まりも相まってか、フランス全体の治安が悪くなってきているそうです。(友人談)

同じ都市でも「治安が悪い地域」と「治安が良い地域」が混在。

リヨンをはじめとしたヨーロッパの都市の特徴は、街の中に「治安の良い地域」と「治安の悪い地域」が混在することです。

治安の良い地域から数分歩いただけで、治安がよくない地域に移動することもしばしば。

治安の良い地域では喧騒もなく道も綺麗だったのですが、少し歩くと道が汚くなり失業者がたむろした今の匂いがする地域に足を踏み入れてしまうこともあります。

そのくらいに、フランスの都市は小さく集まっているのです。

例えば、私が生活しているリヨンには、「フォッシュ」という地区が高級なブティック、レストランがある静かな地区と、「ギヨティエール」という治安が悪く、ゴミが散乱している地域があります

その「フォッシュ」と「ギヨティエール」は、歩いて約15分の距離。例えるならば、東京の白金と新宿の歌舞伎町が歩いて15分の距離にあるというような状態です。

そもそもフランスをはじめとしたヨーロッパの都市は、日本の大都市と比べると規模が小さいので、その小さいエリア内で治安格差が生まれます。

リヨンのギヨティエールという場所は、交通の弁がよく、普段生活しているとよく使う駅なのですが、夜になると日本人女性一人では危険です。

治安問題が普段の生活の利便性に直結していると感じます。

日本の大都市の場合だと、各駅の周りに形成された繁華街ごとに特色があり、「治安の悪い駅」「治安の悪いエリア」というふうに分かれているので、なんとなく想像がしづらいかもしれません。

同じ駅の中でも、ものすごく治安の悪いところと、ものすごく治安の良いところが生まれるということは起きません。

日本の大都市は、「住宅地」「繁華街」「オフィスエリア」などのように街が綺麗に分割されているので、繁華街のようにある程度治安が悪くなりがちな場所を想像することはできます。

フランスの場合は、都市の中心部で住宅街と繁華街、オフィスなどがほぼ同じ場所に位置します。

その結果、いい意味でも悪い意味でも「人口増加を見越した都市計画に沿って形成された都市」があまりないので、都市の中心部では治安の差が激しくなるように感じます

その結果として、治安の良いとされている地域でも完全に気を抜くことができず、常に警戒心が必要な状況になっているのでしょう。

また、フランスの都市でも、人口増加に伴って都市の周りに集合住宅が建設され、日本のように「郊外の住宅地」を形成している地域もあります。

そのような郊外の地域では、都市の中心部とは逆にその郊外全体が治安が悪い、特定の社会層が占めててコミュニティを形成しているというような特徴があります。

フランスの治安問題は、移民問題、失業問題、就労問題、社会保障問題などが関わっているので、一概に理解することはできません。

フランス留学中に実感。フランスの犯罪。

フランスに約1年住んでいたら、実際に犯罪に遭遇、目撃することがよくあります。

日本に住んでいたころはよほどのことがない限り犯罪を目にするということはありませんでしたが、フランス生活中は何かしらの犯罪を目にします。

ここでは、実際にフランス生活中に遭遇した犯罪について紹介します。

犯罪の遭遇度、危険度などの情報も一緒に載せているので、旅行、留学の際には参考にしてください。

日本人が被害に遭いやすいのは、「スリ」「置き引き」

日本人が一番被害に遭いやすいのは、おそらくスリや置き引きでしょう。日本人はスリや置き引きなどの窃盗に対しての注意が薄く、すぐにカモにされてしまいます。

日本のカフェやレストランでは、テーブルにスマートフォンを置きっぱなしにした状態でトイレに行く人もいますが、フランスではもってのほかです。

私自身もリヨンのマクドナルドで食事をしていたときに、二人組のスリグループにスリの標的にされました。

夜の10時くらいにマクドナルドで食事をしていたら、不審な男性が隣に座ってきて、私に今の時刻を聞いてきました。その質問に気を取られているうちに、反対側からもう一人が近づいてきて、自分のすぐそばにあった鞄を盗もうとしてきました。幸い自分は違和感に気づいて反対側に注意を向けたため、男たちは逃げて行きましたが、気づかなかったらおそらく盗まれたいたことでしょう。

同じくリヨンに留学しにきていた日本人の学生はカフェにいる最中にテーブルの上に置いてあったスマートフォンを盗まれていました。

スリや置き引きに合わないために、公共の場所では常に自分の持ち物に気を配るようにしましょう。

スリ・置き引き

危険度:★(命に危険はあまりない)

遭遇度:★★★★★(しょっちゅう)

ストライキがあると、公共物の「放火」、「破壊」が起きる

フランスの名物、ストライキ。ストライキ発生中は、街中で市民が集まり抗議する集会、動員が行われます。

基本的にはストライキは市民が自分の政治的な意見を表明する安全なものなのですが、参加する人の中には、ただストライキに乗じて公共物の破壊行為、放火行為を行う輩もいます。

破壊行為が激化すると、警察が動員され、デモ隊と警察との衝突が起こることも。

衝突起きると、警察から催涙ガスが撒かれたり、乱闘が起きたりするので十分に注意しましょう。

このデモ関連の犯罪で少し難しいところは、デモ隊の99パーセントはただルールに則って抗議をしているだけなのにも関わらず、ごく少数の人がゴミ箱に放火したり、バス停を破壊したりするバンダリズムを行なっていることです。

実際にデモに参加してみるとわかるのですが、デモに参加するほとんどの人は普段は普通の生活を送っているような穏やかな人たち。

フランスの大規模デモは日本でもニュースになることが多いですが、実際にはニュースで見るほどフランス全土が焼け野原になるような抗争はほとんど起きていません。

メディアにありがちなことですが派手な風景を取り上げるばかりで、デモのような政治行為の本質を見失しないがち。

実際にデモを見ていると、日本の報道で見ているほど過激なものではないので安心してください。

ストライキの放火・破壊行為

危険度:★★(近づくと危ない)

遭遇度:★★★(半年に数回)

街中で遭遇する「ドラッグ、クスリ」

フランスは日本に比べるとかなりドラッグが街中に浸透しています。

ドラッグと言っても一概に言えるわけではなく、効果も危険度もさまざまなのですが、この記事では触れないでおきます。

このドラッグについて共通して言えるのは、治安の悪い地域では必ずドラッグの売人や中毒者がたむろしているということです。

その地区を歩いていると、アジア人の私にも「買わないか?」というように声をかけられます。

リヨンでも治安が良くない地域の中心部に行くと、ヘロイン中毒で廃人になっている人もたまに見かけます。

リヨンの治安が悪い地域であるギヨティエールでは、ドラッグ(主に大麻)の売人がたむろしているすぐ横にヘロイン中毒者が廃人になっている場所もあり、異様な雰囲気を漂わせています。

基本的にこのようなドラッグの現場では通り抜けるだけなら危険はないのですが、変にうろついたり写真を撮ろうとすると危険なので気をつけましょう。

基本的に治安が悪くドラッグが横行している地域の道には、タバコの吸い殻が多く散乱していたり、昼間から何をするでもなくたむろしている若者がいたりするので、見分けは簡単です。

本当に治安が悪いところには警察の巡回もあるので、過剰に身構えなくても大丈夫です。

ドラッグ・クスリ

危険度:★★★★★(危ない)

遭遇度:★★(治安の悪い地域ではよく目にする)

ここで書かれている情報は、あくまで参考程度に考えてください。基本的に気をつけながら、旅行、留学をする限り、このような犯罪に巻き込まれることは、ほとんどないので安心してください。

「犯罪・治安問題」と「人種・移民問題」

最後にセンシティブな話題になりますが、犯罪と人種・移民問題について取り上げます。

率直に書くと、このような犯罪に関わっているのは特定の人種の人たちが多いです。

具体的にどんな人種、どんな社会層の人間かは明言しませんが、フランスの治安問題と移民、人種問題は密接に関わってるんだと深く感じます。

フランスは、不法移民に対しての規制をここ数十年から徐々に強めてきていますが、その理由もなんとなくわかってくるようになりました。

私はフランスの大学院に在学しています。

大学の人種の割合は、普段の街中で見る人たちよりも白人が占める割合が増え、教育へのアクセスにも人種や移民のような背景が密接に関わっているのだと感じます。

特に私が勉強している美術史のような人文社会系の分野には、私のような有色人種はほとんどおらず生徒が大体白人であるということもあります。

フランスの社会学者のブルリューは、知的財産である文化資本の遺伝について述べていましたが、「教育」への考え方も人種や社会階層によって全く異なるのだと実感します。

特に日本のように「田舎」と「都会」の教育格差という形とは別に、都市の中でも人種・宗教によって格差があることには驚きました。

日本の場合だと、都会出身の人は大体大学を目指すことが多いですが、フランスではそういうわけではないようです。

十分な教育が行き届いていないと、安定した職に着くことが難しくなり、失業者が増え、治安悪化につながるというよう構図があるのかなと感じます。

この問題についてはまだきちんと理解できていないところも多いので、またの機会に詳しく書ければと思います。

正しく知って、正しく怖がる。

ここまで、フランスに住んでいて感じた治安問題について少しまとめてみました。

実際に住んでみると、日本ほど治安が良いところはないんだなと実感します。

まだフランスに住んで1年目ということもあり、まだまだ本当のフランスについては見えてこないところもありますが、これからも何か気づいたことがあれば更新させていただきます。

フランスの治安まとめ
  • 日本ほど治安は良くない。
  • 旅行に来る際、日本人はすりや置き引きに遭いやすいので注意する。
  • フランスの都市は治安が良い地域と治安が悪い地域が入り混じっている。