こんにちは。バゲです。フランスで学生をしています。
フランスは世界でも随一の美食の国。
食事のクオリティもそうですが、食材として使うものもさまざま。
カタツムリにバジルベースのソースを乗せてオーブンで焼いたエスカルゴ料理は日本でも知られているはず。
カタツムリ以外にも、カエルを使った料理、羊の内臓を使った料理、脳を食べる料理など、日本では食べないものを使った料理がたくさんあります。
地域によって食べるものが違ったり、味付けが違ったりするのもとても面白いです。
多種多様な食材を使うフランス。
そんなフランスでは、日本でペットとしてお馴染みの「ウサギ」も食材として料理に使われます。
日本人にとっては少し驚いてしまうかもしれませんが、一体ウサギ肉はどんな味がするのでしょうか。
実際にフランスに住む日本人である私が、「ウサギの肉を使った家庭料理を味わう機会」があったため、その経験をご紹介できたらと思います。
フランスでのウサギ肉の立場とともに、フランスのウサギ料理事情、ウサギとの関係性をみなさんにお伝えします!
フランスでは、「ウサギ」は一般食材の1つ
フランスでは、ウサギは一般的な食材の一つ。
スーパーマーケットに行くと、お肉のコーナーにウサギのお肉は普通に売っています。
フランスは肉食文化の国なため、スーパーにはウサギをはじめとした数々の動物のお肉が並んでいます。
その中の一角には、必ずウサギ肉の陳列ゾーンがあり、簡単に手に入れることができます。
フランスに来た当初、スーパーで買い物をしていたときに、お肉のコーナーで「ウサギ肉(lapin)」を見つけた時、ギョッとしました。
フランスで、カエルやウサギなどを食べた今では、そんなウサギ肉の陳列にも慣れっこです。
フランスの伝統料理、家庭料理を扱っているレストランでもウサギ肉を扱っていることも。
ウサギ肉は硬くなりやすく自分で調理するのが難しいのですが、レストランなら簡単に味わうことができます。
私が生活しているリヨンには、「ブション Bouchon」と呼ばれるフランスの伝統的な料理を提供しているレストランがあります。
そのようなレストランで、ウサギを使った料理は20ユーロほどで楽しむことができます。
気になる「ウサギ肉」は、こんな感じ、こんな味。
今回、私がいただいたウサギ料理はフランスのとある婦人の手作りのうさぎ料理。
その婦人はもともとフランスでレストランを経営していたこともあり、料理の腕はピカイチです。
とある友達に「フランスのうさぎ料理に興味がある」と話してみたら、その友人の実のおばあさんにお願いして作ってもらえることになりました。
ウサギ肉は調理に時間をかける必要があり、たっぷり手間隙をかけながら作っていただきました。
ウサギ肉を最高の状態で調理するには5時間以上かかるのだそう。
その手間隙に驚きです!
いただいたのは、「ウサギのマスタード煮込み」。
煮込みにはじゃがいもを合わせていただきます。
ナイフで切り分けると、その肉の繊維の細かさに驚きます。
繊維一つ一つがしなやかに細く、それでいてしっかりしています。鶏のもも肉よりも細くしっかりとした繊維が平行に走っています。
この筋肉があるからこそ、うさぎは大地を駆け巡ることができるのだと、実感することができます。
小さい動物なので小骨が気になるのかと思いましたが、骨は意外と単純で太く、食べるのに不自由にはなりません。
そんなウサギ肉を実際に味わってみると、美味しい!
歯に当たる感触は、鳥の胸肉のような細やかな繊維質を感じるのですが、繊維が鳥の胸肉よりも解けやすく、口の中に柔らかに広がります。
また、肉全体に程よく脂肪分がありしっとりとした口当たりです。
味は肉の旨味が強く、マスタードで長時間煮込まれていても全く負けないような肉の旨みを感じます。
旨味は牛の赤身肉に似たような肉自体の旨みを強く感じると共に、鶏肉のような淡白さも感じる味わいです。
てっきり最初はジビエのように草食動物特有の臭みがあるのかと思いましたが、全く臭みはなくかなり食べやすく、うさぎを普段食べない日本人でも軽く食べることができると思います。
マスタードソースに流れでた肉汁を、うさぎと共にオーブンで焼いたじゃがいもに絡めて食べるのが、これまた美味しい。
ソースだけでも、バゲットをたくさん食べることができちゃいます。
私は大きな肉の塊を2つお皿にいただき、「少し多いかな。。」と思ったのですが、結局ぺろりと食べることができました。
量に反してペロリと食べることができるのも、ウサギ肉の特徴かなと思います。
うさぎ肉独特の肉質の軽さのおかげで、濃厚な味わいのソースとともに食べても全く飽きが来ません。
食後も「お肉を食べた!!」という感覚よりも、お魚や豆を食べたような軽やかさがあります。
うさぎ肉は非常に食べやすく、肉自体にしっかりとした旨味がある美味しいお肉だと思います。
私自身、またぜひ食べたいなと思う味でした。
日本でもウサギ肉を扱うレストランを見かけた時にはぜひ頼んでみたいです。
消えゆく「うさぎ料理」
ウサギ肉ですが、実はフランスの家庭から徐々に姿を見せなくなってきているのだそう。
フランスは、共働きの家庭が多い国。
ウサギ肉は調理に時間がかかり手間をかける必要があることから、都市で暮らす共働きの家庭ではどうしても調理することが難しいため、あまり家庭では食べなくなってきているそうなのです。
社会の労働環境の変化が食文化にも影響を与えることがわかる特徴的な例だと思います。
さて、この記事を読んでウサギ肉の味を少しでも理解してくださることがいればいいなと思います。
フランスに来る機会があればぜひウサギ肉を味わってみてくださいね。
このブログでは、うさぎ肉をはじめとしたフランスの食生活のみならず、フランスでの一般的な生活、アート事情、フランス留学についての記事を書いています。
もしよろしければ、他の記事もぜひご覧ください。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
フランスでは陸の動物を多く使った料理がある一方、海の食材は日本ほど食べません。
例えば、日本人でも好きな人が多い「ナマコ」は、フランス人が気味が悪いと感じる食材の一つ。
「日本ではナマコを食べるよ」というと不気味がられます。。美味しいのに。。