フランスの大学院修士課程に留学中のバゲと申します。
2022年の3月に日本の総合大学の学士課程を修了し、2022年の9月からフランス・リヨンの大学に、美術史系の修士課程を取得するために留学に来ています。
- 2019年:カナダのモントリールへフランス語の短期留学
- 2022年3月:日本の総合大学・フランス文学専攻を修了
- 2022年9月:渡仏。フランスのリヨンの大学で修士課程に登録
- 2024年1月:修士課程2年目後半←イマココ
実は私にとって、フランスへの留学は長年の夢というわけではなく、大学の卒業を控えて悩みに悩んで出した結論でした。
「なんで文系なのに修士課程に進むの?なんでフランス?フランスに留学しに行ってどうするの?」という疑問をたくさん聞かれたし、自分自身にも問いかけていました。
今回のコラム記事では、私自身がなぜフランスで修士課程留学をしに行こうと決めたのか、その理由ときっかけを、この記事を読んでくれているみなさんにお伝えできればと思います。
コロナ禍で「自分がどうしたいのか」たくさん悩みました。
ときは2020年、コロナ禍真っ只中の頃でした。
当時大学3年生だった私の友達は、コロナ禍でも一生懸命就職活動をしていました。
そんな大学生活の中でも大事な期間に私はなんとなくやる気が出せずにいました。
というのも、多くの学生が頑張っている就職活動は「安定した将来・キャリアの成功・大企業への就職」を目指しているものでしたが、なんとなく自分には合わないなと感じたのでした。
そもそもコロナ禍で誰も将来なんてものは予想できないという事実に直面させられた中で、一般社会で「良い」とされている「約束された将来への努力」がなんとなく空虚に写ってしまいました。
そんな「なんとなく就活はできないな。したくないな。」と自問自答していた時期に、もともと海外旅行が好きで、いつか海外に長期で住みたいなという欲望が再沸騰してきました。
このままなんとなく就活してどうするのだろう。行動を起こさなくて。という感覚に駆られていきました。
それと同時期に、大学ではゼミなどが本格的に始まり、自分の勉強していることへの興味も沸々と湧いてきました。
コロナ禍で時間があったこともあり、自分自身でも勉強を深めている時期でもありました。
そして、もっと勉強したい、体型的に知識を深めたいという気持ちになっていきました。
じゃあ、就活せずに海外の大学に進学しよう!という気持ちに。
「どうせ不安定な世の中なんだから、自分のしたいことをしよう!どうせ将来なんてものはわからないのだから、今の自分の心の声に従おう」
この気持ちが留学をしようと決めたきっかけでした。
なぜフランスの大学院なのか?
もともとフランス語専攻ではあったものの、フランス自体にはそこまで興味があるわけではなかった私。
どちらかというと社会学や言語学に興味があったので、大学ではフランス文学専攻を選ぶことになりました。
現在の私の修士課程も、必ずしもフランスの歴史だけを扱う分野ではありません。
どちらかというと、フランスの現代哲学、社会学を使って、世界全体の文化事象を研究するような分野であるため、
それでは、なぜフランスの大学の大学院に進学することに決めたのか。
その理由は、この3つ。
- フランスは大学は学費が格安だったから。
- フランスの現代哲学・社会学に興味があったから。
- 留学先としてメジャーな英語圏以外の場所に興味があったから。
フランスの社会学、現代哲学は、現代の人文系の研究に大きな影響を与えています。
サルトルやデリダに興味があった私にはフランスで人文系の勉強をすることにとても魅力があるように映りました。
また、フランスの大学は学費が安く、大学によっては1年間で数万円ほどで大学に登録することができます。
自分の勉強したい分野の研究の歴史があること、フランスの大学は学費が安いこと。
この二つがフランス留学への大きな決め手になりました。
「留学して何になるの?」という疑問こそが留学する理由に。
留学をしたいと決めた私ですが、身の回りの反対も多くありました。
「人文系で修士に進んでも意味なくない?」「フランスでいいの?」「もっといい選択肢があるのでは?」というような質問ばかり。
このような心配の声ももっともかなと思います。
しかし、そんな心配の声も、「どうせ将来のことなんてわからない。今自分がしたいと思えること、将来後悔しないしない選択をすること」と思うようになりました。
現在も、留学後の将来がどうなるかはわからないですが、自分の中で最良の選択をしてきたという実感を持っています。
どのような選択をしても、「あの選択肢をしていたらどうなっていたのかな」と思うことは絶対にあると思います。
将来のことなんて誰もわからないのだから、現在の自分ができる自分にとって一番後悔のない選択をするといいと思います。
人生は長いですが、留学を思いっきりできる期間は短いです。
思い立ったが吉日。勇気を持って飛び出してみると、あたらしい世界は開けると思いますよ!