フランスのTGV・マニフェスタシオン:まったく予期せぬ展開と、最悪の体験【フランス留学】【ヨーロッパ旅行】

こんにちは。バゲちゃんです。フランスで大学院生をしている学生です。

学生生活の傍、フランスやヨーロッパの旅行を時たま楽しんでいる旅行者でもあります。

フランス、その美しい風景と洗練された文化で知られる国。

しかし、時には魅力的な背後に潜む試練が私たちを待ち受けていることもあります。

それがフランス名物の「マニフェスタシオン」。

簡単にいうと「ストライキ」のことでフランスに興味がある方は、耳にしたことがあるのではないでしょうか。

今回はそのマニフェスタシオンの中でも、フランスでクリスマスに体験した私の試練、

TGV(Train à Grande Vitesse、高速列車)のマニフェスタシオン

についてお話しします。

全く予期せぬトラブルの連続、そして実際の体験を通じて、その舞台裏に迫ります。

フランス旅行、生活の大変な一面を見てもらいつつ、私の体験をお伝えできたらと思います。

記事の最後にはマニフェスタシオンの対処法や、どのように乗り切るかをご紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

フランスのTGVマニフェスタシオンとは?

そもそもフランスのマニフェスタシオンは、大規模な公共の集会やデモンストレーションを指します。

市民が社会的・政治的なメッセージを表明し、抗議や支持の意を示す場として利用されます。

ストライキや行進、演説などが含まれ、交通渋滞や一時的な混乱が起こることもあります。

フランスの歴史や文化に深く根ざしたマニフェスタシオンは、社会の意識形成や政治的な動きに大きな影響を与えています。

筆者

2018年の「黄色いベスト運動」や、2023年の「年金改革反対運動」のような超大規模のマニフェスタシオンは日本でも大きく報道されました。

マニフェスタシオンは、その抗議する内容によってその様子が大きく異なります。

フランス全土に及ぶものから、特定の学校や会社のなかで行われる比較的規模が小さいものもあります。

マニフェスタシオンの開催が発表されると、その内容がインターネットや街中の張り紙で掲示されます。

特に公共交通機関、公共施設はマニフェスタシオンに合わせて、閉鎖、減便されることが多いです。

フランスで経験したマニフェスタシオン
  • 年金制度に反対するフランス全土で起きたマニフェスタシオン
  • フランスの大学入学制度の変革に伴う大学内マニフェスタシオン
  • TGVを運営する会社の賃上げ、休暇要求に関係するマニフェスタシオン

この時期を読んでくださっている旅行者、留学予定者のかたが特に心配なのは、TGVのような公共長距離移動交通機関のマニフェスタシオンなのでは?

そもそも、フランスのTGVは日本の新幹線と異なりほとんど時間通りに運行されません。30分程度の遅延は普通に起こります。

そんなTGVでマニフェスタシオンが起こると自分の乗るはずだった便に大幅な遅延が発生したり、余計に乗り換えをしなくてはいけなくなったりもします。

最悪の場合、そもそもTGVが全てキャンセルされ、身動きが取れなくなってしまうことも・・・。

とにかくTGVのマニフェスタシオンは悪夢なのです。

クリスマスの悪夢のようなTGVマニフェスタシオン体験

そんなTGVのマニフェスタシオンですが、私も実際に経験し大変な目に遭いました。

ここでは、実際の経験をみなさんに紹介していきます。

もともとの旅程
  • 14時、カンヌをTGVで出発
  • 18時、リヨンに到着

マニフェスタシオン・前日

2022年のクリスマスの時期でした。

私はリヨンという都市に住んでいるのですが、友達に誘われクリスマスの時期に南仏のカンヌに旅行に行くことになりました。

行きのTGVでは全く問題がなく、数日間のカンヌ旅行を楽しみました。

南仏は夏のイメージが強いかもしれませんが、冬に行っても美しい景色が変わらず、むしろ観光客が少ないのでいいシーズンです。

「楽しかったカンヌ旅行を終え、翌日にリヨンに帰る!」という日の前日に、TGVのマニフェスタシオンが発表

一緒にいた友達は、その発表を見た瞬間に顔色が悪くなっていたことを覚えています。

その発表を受け、早速チケット購入したメールアドレスを確認すると、こんなメールが。

メールの簡単な内容

マニフェスタシオンのせいで、リヨンに戻るTGVはキャンセルされました。

もし旅行の日程を変更したり、返金を求めるなら、出発する前にウェブサイトなどにアクセスしてください。

お詫び申し上げます。

筆者

勝手に自分の便がキャンセルされたのに、自分から新しくTGVのチケットをもう一度入手しなくてはいけないなんて、フランスってすごいなと思います。。。

日本だったら新幹線に何かあってキャンセルされても、運営会社側がもっと手厚いケアをしてくれますよね。

その指示の通り、ウェブサイトに行くと、「マニフェスタシオンでTGVがキャンセルされた人向けのページ」があって、そこでチケットを再入手します。

ただし、ここでチケット買えたとしても、当日になると買った便もそもそも変更、キャンセルになる可能性があるので、チケットの確約はできないという状態でした。

「なんじゃそりゃ」と思いましたが、どうすることもできないので、取り合えず新たにチケットを購入して、その日は就寝。

翌日の帰路のことを心配しながら眠るのは、なかなか疲れます。

変更後の旅程
  • 14時、カンヌをTER(鈍行列車)で出発
  • 16時、マルセイユでTGVに乗り換え
  • 19時、リヨン到着

もともと直行便で帰る予定が、鈍行便とTGVを組み合わせた一回乗り換えをしなくてはいけない旅程に。この時点でもう、どんよりと嫌な気持ちになります。

マニフェスタシオン・当日

カンヌ出発

カンヌから帰る日、当日。

もともとは、カンヌで少し遊んでから帰る予定だったのですが、マニフェスタシオンの様子が分からないので、帰る便が出発する数時間前からカンヌ駅の近くで待機。

当初は、座席指定ができるTGVに乗る予定だったので駅に早めに着く必要がなかったのですが、マニフェスタシオンの影響で座席指定ができない鈍行列車に変更。

座席指定ができないため、早めに乗り込む必要があり、駅の近くで待つ必要がありました。

駅で待っていると、TER(鈍行列車)到着。

高速鉄道であるTGVは形がかっこいいのですが、TERはなんだか丸っこい可愛らしい形です。

マニフェスタシオンの影響で、このTERに乗り込まなくてはいけない人が多く、電車内はすでにかなり混んでいました。

このTERに乗ってとりあえず、カンヌの西にあるマルセイユまで向かいます。

マルセイユ到着

揺られること2時間。

なんとかマルセイユまで到着。マルセイユは多くの人が乗り換えをする乗り換え駅でもあるので、もうすでに人でごった返しています。

人混みで待たなくちゃいけないのか、もう辛い気持ちになります。

この時は、マルセイユでの乗り換え時間は数十分ほどだったのでなんとか乗り切れるかなと思っっていました。

更なる旅程変更

マルセイユで待っていると、あるアナウンスが流れました。

駅員

マルセイユからリヨンに行くTGVはキャンセルされました。

それ以後の情報は決定していません。

マルセイユの乗り換えが短く済むと思っていた我々は愕然。

人混みあふれる駅で数時間待たなくてはいけなくなるのです。

TGVの駅のような多くの人が集まる場所では、スリや窃盗を被害が起きやすく、一瞬たりとも気を休めることができません。

どうしようもないので、駅の近くでとにかく待機します。

待機中にマルセイユの夕焼けを眺めることができました。

少し心が落ち着きます。

2時間ほどマルセイユの駅で待っていると、またもやアナウンスが。

マルセイユから、リヨン方面に向かう暫定鈍行電車が運行されます。

途中の駅で乗り換えが必要になりますが、その駅は確定していません。

「そんなアバウトなの!?」という感想を持ちましたが、どうしようもないので、この電車に乗り込みます。

立ち往生している多くの旅行者が一斉に乗り込むため、プラットホームはごった返します。

なんとか、電車に乗り込むことができました。。

よく分からない小さな駅で乗り換え

電車が出発すると、各方面へ向かう電車の乗り換え情報がアナウンス。

アナウンスがあるたびに聞き耳を立てなくてはいけないので、なんとも緊張感が漂います。

日本の新幹線のアナウンスのように、ノイズが入るので乗り換え情報がとにかく聞き取りづらいです。

なんとか友達に助けてもらいながら、乗り換え情報をキャッチ。

誰も知らないような小さな駅で乗り換えを行う必要があるということでした。

たまたま、自分が一緒に旅行した友人はネイティブの人でしたが、もし日本人だけだったらと思うと、ゾッとします。。。

乗り換え後、またもや鈍行列車でやっとリヨンへ

小さな駅で乗り換えを行なった後は、最後の電車です。

振替便なため、本来追加料金なしでは乗ることのできない一等車に乗ることができました。

この最後の便に乗るときには、私たちは疲労困憊。

電車内で寝るのは、防犯的によくないのですが、ぐっすり寝てしまいました。

自分の住むリヨンに着いたのは、夜も遅くなってから。

リヨンのTGVの駅についてからさらに自分の家に帰る電車に乗らなけらばならず、とても大変でした。

でもなんとか家には着くことができました。。

実際の我々の旅程
  • 14時、カンヌ、TER出発
  • 16時、マルセイユで乗り換え
  • 19時、マルセイユ、TER出発
  • 19時30分、またもやTERへ乗り換え
  • 22時、リヨンになんとか到着

乗り換え乗り換えの連続でリヨンに到着するときは、疲労困憊です。

マニフェスタシオン・後日談

マニフェスタシオン後日、TEVを運営する会社のSNCFからとあるメールが。

内容

先日のマニフェスタシオンに際して、旅程に被害を受けた方に対して、次回以降使えるチケットの二倍の額の商品券を差し上げます。

詳しくは、、、、、

我々のように、今回の件で被害を受けた人向けに、二倍の額のチケットをくれるということでした。

この旅程では合計150ユーロほどお金がかかったのですが、このチケットのおかげで300ユーロほどの商品券をもらうことができました。

正直、マニフェスタシオンでの疲労や困難を考えると、300ユーロでも少ないかなと思ってしまいますが、ないよりマシかなと思います。

このチケットは後日、TGVを使ってもう一度南仏を旅行したときに使いました😄

悪評高い「TGVマニフェスタシオン」

このような大規模マニフェスタシオンが起こるのは、それほど稀なことではありません。

特に日本人が旅行に来るような夏の時期、クリスマスの時期はマニフェスタシオンが頻発するので、注意が必要です。

TGVマニフェスタシオンにうまく対処するには?

TGV、マニフェスタシオン対処法
  • 遅延保険に加入
  • 旅行繁忙期は避ける
  • TGVの情報は逐一チェックする
  • 遅延が発生した際は、スリ、窃盗に注意
  • 旅行者でも最低限のフランス語は知っておくと安心

TGVのウェブサイトには、万が一大規模遅延、キャンセルが発生したときに向けて、遅延保険に加入できます。

保険加入額もチケットの数%ほどの値段なので、あまり高くありません。「おそらく遅延するだろうな」と考えている人は加入しておきましょう。

また、旅行の繁忙期は遅延が発生しやすく、リスクがあります。学生などの時間に余裕がある方は、繁忙期を避けて閑散期に旅行すると安心です。

TGVのウェブサイトは逐一チェックしておきましょう。前日までは何もなかったのに、いざ駅に来てみると、自分の便がキャンセルされている!ということもあり得ます。

日本人の観光客の方で、あまり旅行慣れしていない人は、駅での滞在時間中、持ち物に注意することを忘れないで。日本人は高価なものを持ち歩いていることが多く、不注意がちなので、カモにされます。

また、できたらいざというときに向けて、フランス語を少しでも勉強しておくと、安心。

マニフェスタシオンのような異常事態だけではなく、通常の旅行中も会話を楽しむことができます。

フランス語のオンラインレッスンもおすすめです。

フランス語に伸び悩んでいるという方へ

「フランス語をちゃんと勉強してみたいけど、やっぱり一人だとどうしても勉強できない。」、「実際のフランス語話者に一対一で授業を受けたい。」、「フランス語教室が家の近くにない。。」という方へ。

フランス語学習者の方には、「italki」がオススメ。

最低一回5ドルから、「ネイティブスピーカーとの一対一の授業をオンラインで受けることができます。

オンライン指導の他にも、自分の書いた文章の添削、無料のランゲージエクスチェンジコミュニティがあるので、興味がある方はぜひ登録してみてください。

クリックしてプロモーションをチェック!