フランスの文化と日本文化の違いをざっくりと知りたい人向け。
こんにちは。バゲです。フランスで文系の修士大学院生をしています。フランス生活2年目になります。
フランスといえば何かと日本の書籍や雑誌でも生活スタイルが取り上げられます。過度に持ち上げる傾向さえあるかなと思います。
「フランス人は質素な暮らしをしているけど豊かである」、「フランス人はよく食べるけど痩せている」、「フランス人はブランドものを持たない」とか、「フランス人は服を○着しか持たない」とかよく言われてますよね。
でも、実際のところ、フランスの生活、フランス人の暮らしぶりって本当にそんな感じなのでしょうか。雑誌やテレビで特集されるフランス人の気質は何かと「日本人向けのフィルター」がかかっていがち。なんとなくフランスっていい国というイメージが先行して持ち上げてるなと感じます。
そんな本当のフランス文化、生活の特徴を改めてフランスに留学に来ている日本人学生の目線から、紹介していきたいと思います。
フランス人の特徴【超個人的感想】
すごく簡単にざっくりとフランス人の特徴をまとめるとこんな感じかなと思います。
※あくまで個人的な感想なので参考までにしてください。
フランスで生活していると、本当にフランスって個人主義なんだなと感じることが多々あります。
具体的には、こんな感じ。
フランス人は自分と自分の大事にする人が幸せでいれば、あまり他の人の目線は気にしないと思います。自分が他人どう思われているかを気にせず、自然体でいることが理想としている人も多いです。
逆に表面的なことで武装するような人、例えば、「ブランドもので身を固める人」、「友達関係の広さで自分の価値を高めようとする人」、「自分自身で自分の決定をしない人」などはなんとなく嫌われるような雰囲気。
広告やSNSなどに惑わされることなく、自分の好み、自分がいいと思ったことは自分で決めるというような傾向があり、自分が違うなと思ったことは国に出して「私はそうは思わない」とはっきりと伝えます。
同様に資本主義的な娯楽=お金を使う娯楽に興じている人も少なく、自然の中でのんびり過ごしたり田舎の別荘でゆったり週末を過ごしたりして自由時間を満喫する人が多いです。
色んな意味での『多様性』
そんなフランス人の個人主義で表面的なことを嫌う傾向は、フランスの多様性から来ているのかなと思います。この多様性というのは人種的な多様性、社会階層的な多様性、性別的な多様性などです。
このような乗り越えられない多様性が国、都市の中にバラバラに存在するからこそ、自分のアイデンティティは自分で決めるというような傾向がある。そう感じます。
自分自身を定義してくれるレッテルがあまりないため、個人主義的な自分主体の思想が生まれてくるのかなとも思います。
私は時折、仲のいいフランス人に「フランス人をどう定義する?」というような質問をします。すると、一様に「フランス人の定義」について難しい顔をするのです。
もちろん国の定義からすれば「フランス国籍を持っている人」が「フランス人」に該当するとは思うのですが、実際のフランス人からするとなんとなく腑に落ちない様子。
もともとフランス人としての日々生活する中でフランス人であることを意識することが少ないのかもしれないです。もしくは、フランス国籍を持っていてもフランス語を話せない人などもいるので、定義がより複雑化しているのかも。
自分のことは自分で決めるという思想は、多様性の中から生まれやすいのかなと思います。
具体的にこんなところが違う
思想的な話になってしまったので、ここからは具体的にフランスと日本との違いを見ていきましょう。
衣食住の違い
- ブランドものをあまり身につけない
- 衣類は自分にあった形、色のものを着る
- 基本的に自炊、特別な機会に外食
- 自炊も手間をかけない
- 住まいは実用性重視
- 家は自分でデコレーションをしていく
フランスに来てみるとわかるのですが、フランスはルウヴィトンやエルメスのようなハイブランドを多く輩出していますが、実際に持っている人は少なめ。
いわゆるブランドブランドしている格好で歩く人は少なく、さりげない形で持っている人はいます。
洋服選びで重要視されるのは、丈、色合いが自分に合っているか、機能性が高いかという点。最近では、エシカルファッションとして中古の服を着ている若い世代も増えています。
食事も比較的シンプルなものが多いです。もちろん、伝統的なフランス料理は時間と手間がかかるものばかりなのですが、最近の若い世代では自宅でフランス伝統料理を作るということはあまりありません。
というような食事が、自宅で食べられています。
交際関係の違い
- 友達と何をするかではなく、一緒にいることが重要
- 浅く広くではなく、深く狭くを重要視する
- 仕事、家探しなどでもコネクションを重視
フランス人の人間関係の構築の仕方も日本人とは少し違うかなと思います。
まず、職場や学校は働く場所、勉強する場所という感覚なので、仕事友達、学校の友達とプライベートでも交流を深めようとするということもあまりないです。
会社の飲み会に半強制的に参加するなんてこともほとんどないらしいです。
その代わりに友達は自分が選んだ人とじっくり関係を構築している人が多い傾向があります。
友達が多ければいいというわけではなく、少なくてもいいから大事にしていくというような傾向です。
ちょっとくらい嫌な人でも我慢して付き合う人が多い日本とは違いますね。
学校・教育の違い
- 学校教育が安い
- 学校はとにかく勉強だけの場所
- 学校でのディプロムが仕事に直結する
学校に対しての考え方も日本とは違います。学校の教育費が安いだけではなく、とにかく勉強する場所という感覚。
フランスでは大学をはじめとした高等教育機関で勉強することがそのまま自分の仕事に直結します。会計を勉強した人は会計分野、経営を勉強した人は経営分野で働くというような感じです。
日本では就職就職で重視されるのは、「何を勉強したのか」ではなく「どの大学で勉強したのか」なので、大きく考え方が違いますね。
まとめ:
この記事では、フランスの生活、フランス人の気質について紹介して聞きました。
フランス人の気質は、物質主義というよりも本質主義的傾向があるかと思います。
とはいえ、実際にフランス人と会って話してみると、考え方は人それぞれ。面と向かって話してみるといろんな考えがあることがわかります。
実際に生活してみると、いろんな刺激があってとても面白いです。このブログではフランスに生活している日本人学生としてフランスの生活について書いています。
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