フランスのストライキ。さすが人権の国、規模がすごい!【マニフェスタシオン】【グレーヴ】

こんにちは、バゲです。フランス、リヨン在住の大学院生です。

フランス在住の大学生としての生活が約半年たち、徐々にフランスの日常生活にも慣れてきた頃です。

皆さんは、ストライキに参加した、もしくはストライキのせいで日常生活に影響が出たということがあるでしょうか。

フランスは、人権の主張をする国ということもあり、政府の政策に対しての意見表明、抗議としてストライキが起きます。

最近の「黄色いベスト運動」という労働者運動も大型ストライキと捉えることもできますね。

私自身もフランスに来て、ストライキというものが日常の中に存在しているということにとても驚いています。

ちなみにフランス語でストライキは、「マニフェスタシオン」、もしくは「グレーヴ」といいます。

日本で今までの人生のほとんどを過ごしてきている僕にとって、ストライキは縁がないものでしたが、フランスに来てから多くのストライキを体験することになりました。

今回は私の経験したストライキや、旅行中にストライキにあい散々な目にあった体験などをもとに皆さんに紹介したいと思います。

「ストライキの影響で旅行がだめになっちゃった!」というを避けるために、旅行者ができることも紹介しているのでぜひ最後までご覧ください。

この記事のポイント

フランスのストライキは規模が大きく、場合によって暴動が発生するので気をつけて。

旅行、留学などでフランスに来る人は、大使館などの情報をきっちりチェックしよう。

フランスのストライキは、日本と比べ規模が大きい

BFM LYONより抜粋

日本でストライキを実際に目にするという機会はあまり多くはないのでないでしょうか。

実際に日本でも、国会議事堂の前、軍事基地の前などで、座り込み、ハンガーストライキ、デモをしている人たちをみたことある人もいるかもしれませんが、どれもその規模は大きくなく普通に暮らす市民への影響は大きくありません。

しかし、フランスのストライキは公共機関も動員されて一緒にストライキをおこるので、その影響は計り知れません。

一番大変なこととしては、公共交通機関は終日、または部分的に動かなくなるので、そもそも生活ができなくなります。

フランスのストライキの影響
  • メトロ、バス、トラムが部分的、もしくは終日、動かない。
  • デモによって道路が占拠される。
  • 公共の施設(図書館など)が閉鎖される。
  • 大学の授業がなくなる。

さらに、このストライキの頻度も日本とは比べものにならないほど多く、時期によっては一週間に一回行われるということもあります。

ストライキの発生の発表は、ストライキがおこる数日前に発表されるので、計画に狂いが出てしまいます。

2023年現在、フランスでは退職年齢の引き上げに対しての抗議が加熱しており、ほぼ毎週のようにストライキが起きています。

多い時には広場に数千人の人が集まり、抗議の声をあげます。

ストライキにも規模の大きさがある

ストライキにも、激しいストライキ、比較的温和なストライキのようなグラデーションがあり、それによる影響もさまざまです。

実際に、自分が経験したストライキもそのタイプはそれぞれ。

国のシステムへの抗議で公共交通機関が全て止まるものもあれば、大学の入学システムに抗議して大学の一部で抗議活動をするものもあります。

大規模なものになると、あらかじめ掲示板、街中の壁などに、ストライキへの参加を促すようなポスターが貼り付けられます。

私が今までに経験したストライキ
  • 定年年齢の引き上げに抗議して行われる大規模ストライキ
  • クリスマスに行われる賃金引き上げのための公共交通機関ストライキ
  • 大学入試システムへの抗議のための学生ストライキ
  • etc

ストライキは、公共交通、学校の一部が止まる。

ストライキが発生すると、まず公共交通機関がとまります

公共交通の乱れは、ストライキの規模によりまちまちですが、メトロのある線が動かなくなったり、バスの一部が動かなくなったりします。

私が今までにフランスのリヨンに住んでいて、リヨンの交通機関が全て止まるというようなストライキにはまだあったことはありませんが、以前にはパリの公共交通が全て止まるといったこともあったようです。

一度ストライキが発表されると、街中や公共交通機関のウェブサイトなどで、その詳細が発表されます。

私はバスやメトロを使わないと、リヨン中心部に行くことができないような郊外に住んでいるので、ストライキが発表されると自分の家に帰ることができるかどうか心配になります。

ストライキが発表されると、日本大使館、領事館からもその注意情報が出されます。

留学、旅行でフランスに来る方は、あらかじめ外務省が提供している「たびレジ」に登録しておくと、ストライキだけでなく、他の危険情報の案内もしてくれます。

私も、実際にフランスに到着当初、フランスの知り合いもいない、フランス語もわからないという状況で非常に役に立ちました。

規模の大きいストライキは、全てが止まる。

ストライキによって、思わぬ形でマルセイユに立ち往生。夕焼けは綺麗ですが内心はドキドキでした。

ストライキの規模が大きくなると、市内の公共交通のみならず、各都市をつなぐ新幹線(フランス語でTGV)も動かなくなります。

旅行のタイミングで新幹線が動かなくなるとかなり大変で、フランス語しか話せない駅員さんとなんとかコミュニケーションを取りながら、代わりに移動する方法をなんとか探すハメになります。

私が実際に経験したケースでは、「カンヌからリヨンへの直通の高速TGV(2時間と少し)」がストライキでなくなり、「カンヌからマルセイユ、マルセイユから地方の小さな駅、その駅からリヨンに鈍行電車(6時間)」というような移動方法にさせられました。

旅行でフランスに来るというような、フランス語が全くわからないという方は、旅行用のフランス語の辞書を用意するなど、あらかじめ準備してから来ることをお勧めします。

また、ストライキの規模が多くなると、デモに参加する人も多くなります。

デモの抗議が白熱すると、街中のゴミ箱を壊す、催涙弾が投げられるといった暴動が起こることもあります。

デモは街の中央部の主要道路を塞いで催されることも多いので、観光でフランスにきた場合は街中の移動に大きな支障をきたしてしまします。

大規模でもが開かれると分かった際は、なるべくその近くには寄らないように、旅行のスケジュールの変更などを行うようにしましょう。

まとめ:フランスに来るときは、ストライキの覚悟をしてこよう。

旅行、留学などでフランスに来ると「楽しみ!」という気持ちが大きいとは思います。

しかし、ストライキの時期に被ってしまうと、大変な目にあうことになってしまうでしょう。

ストライキに被ってしまった時点で、ある程度の不利益が生じてしまうことは当然のことなのであらかじめ心の準備しておくことをお勧めします。

最後にフランス在住者として、ストライキに対するアドバイスを少し共有します。このアドバイスを元にして楽しいフランス滞在生活をしてください!

ストライキに対する対策
  • あらかじめ公共交通機関のウェブサイトでストライキについて調べておく
  • 外務省が提供するたびレジに登録する。
  • (フランス語がわからない方は)フランス語の旅行用のテキストを用意する
  • デモにはなるべく近づかない。
  • 割り切って諦めてストライキを楽しむ←一番大事