フランス現地で学生ビザを更新してきたら、大変だったお話。2023年〜2024年【経験談】

こんにちは。バゲと申します。フランスのリヨンという都市で2022年8月から、歴史系の大学院生をしています。

2022年の秋に到着して、はや1年。海外正規留学生が直面する「ビザ更新の時期」になってしまいました。

元々1年分のビザしか持っていなかった私はフランスの現地でビザを更新する必要があり、渋々ながらもビザ更新に行ってきた次第です。

人生の中でビザを更新するという経験をしたことがなく、準備から発行まで、てんやわんやな感じでした。。

私自身のビザ更新の経験を具体的な経験談を、皆さんに紹介するととともに、ビザ更新の中で勉強することができたフランスのビザ更新事情へのアドバイスも載せている記事になっています。

この記事を読んでいる皆さんはフランスでのビザ更新を控えドキドキしている人が多いと思いますが、読み終わった後には不安が薄れているはずです。

数分で読み終わる記事なので、ぱぱっと読んで、更新準備を進めましょう!

ビザ発行までずっとドキドキしてた数ヶ月前の私に、この記事を見せてあげたい。。!

フランスの学生ビザの更新

フランスにまず留学に来ている人の多くは、「日本でビザを申請、ゲットしてからフランスに渡航する」パターンが多いのでは。

このパターンの人は、東京にあるフランス大使館まで向かい面接を受け、パスポートを提出、後日書類が貼り付けられてパスポートが郵送で返却されます。

もらえるビザは「VLS-SL」というパスポートに貼られてくるビザで、この書類があることで、フランスへの入国と滞在が認められることになります。

この書類はフランスでの滞在を4ヶ月から1年間認めるもので、期間が過ぎるとフランスから出国するか、また新たにビザを更新する必要があります。

VLS-SLのイメージ

フランスでの留学が2年目、3年目以降になってくる人は、フランス現地で学生ビザの更新をする必要が出てきます。

このビザを更新すると、滞在許可が記載された滞在カードが発行され、さらなるフランスでの滞在することが許可されます。

発行カードイメージ

フランス学生ビザの更新は、このカードを手に入れるための過程とも言えるね!

フランス学生ビザの更新の手続き

ビザ更新・大まかな流れ
  1. 必要な書類を集める
  2. 書類を提出する
  3. 書類が審査される
  4. (書類に不備があれば、追加する)
  5. ビザ発行の通知が来る
  6. ビザを取りに行く

ビザ更新の作業は大きくわけて、2つの工程。まず、「ビザ申請に必要な書類を準備する」。そして、「ビザの発行を待ち、取りにいく」過程。

ビザ更新の書類は数が多く準備するのに時間がかかるので、更新が迫ってきたら早めに書類の準備に取り掛かるようにしましょう。

学生ビザ更新に必要な書類
  • 現行(今持っている)のビザ
  • 6ヶ月分の住居証明(賃貸の領収書など)
  • 登録する学校・教育施設の証明
  • 前年度の成績評価
  • フランスで最後に取得したディプロム
  • 教育機関の合格証明
  • 滞在期間中の資金を保障する、月615ユーロ以上の収入・資産証明(奨学金・銀行の残高証明・雇用契約・第三者の資金援助証明など)(合算可能)

※状況により書類は異なります。詳しくは、フランス政府の学生ビザ更新要件について記載されているページをご覧ください。

特に、書類の最後の「滞在期間中の資金を保障する、月615ユーロ以上の収入・資産証明(Justificatifs de vos ressources (sauf si vous avez un visa de court séjour “étudiant concours”) qui doivent être d’au moins 615 € / mois )」というものがフランスにいるときには集めづらく、大変です。

ご家族からの資金援助をもらっている人など、お金の証明がすぐに出せない場合があるので、留学資金の書類は、早めに集めるようにしましょう。

このデータは2024年1月のデータです。フランスのビザ更新に必要な書類、必要な期間は、毎年のように変化するので、逐一公式サイトをチェックしましょう。

【経験談】実際にフランスで学生ビザを更新してみた。

ビザ更新・ざっくり経緯
  • (元々8月24日に切れるビザを日本で取得)
  • 6月:修士1年目が修了。修士2年目の登録。
  • 7月12日:ビザの書類をオンラインで提出。「Confirmation de dépôt(提出確認書類)」が発行
  • 8月22日:「Attestation de prolongation d’instruction(滞在の延長許可証)」の発行
  • (2023年8月24日:現行のビザが切れる)
  • 9月7日:フランスの当局から「Attestation de décision favorable(仮のビザ発行証明)」が発行
  • 12月:ビザの発行通知
  • 2023年12月19日:県庁にビザを取りに行く

書類提出から、Attestation de prolongation d’instruction(レセピセ)発行まで、約2ヶ月。

私がビザの更新準備を始めたのは2023年の6月。

2023年の8月の終わりに現行のビザが切れる予定だったので、2ヶ月前から動き始めました。

提出する書類の中で、修士一年目の修了証明が必要だったのですが、そもそもセミナーが終了する時期が6月の終わりだったため、書類の準備に時間がかかりました。

また、滞在中の資産証明も日本からデータで送ってもらったりと、かなり時間がかかってしまいギリギリの提出になってしまいました。

私が実際に提出した書類
  • 現行のビザ(VLS-SL)
  • 6ヶ月分の賃貸の領収書(Quittance de loyer)
  • 来年度(修士2年目)の登録証明
  • 修士1年目の成績証明・修了証明
  • 社会保険証明
  • 銀行の残高証明(英語)

これらの証明書等を提出して、ビザの更新手続きを終わらせると、以下のような「Confirmation de dépôt」という書類がもらえます。

「7月12日に書類を提出した」という旨の記載があります。

この書類自体にあまり法律的な効力はなく、「この人はビザの更新手続きをするための書類を提出しましたよ」というだけの証明です。

ビザが切れる二日前に、Attestation de prolongation d’instruction(レセピセのようなもの)が発行

書類を提出してはや1ヶ月、何の音沙汰もありませんでした。

ビザの期限切れが近づく中でドキドキしていましたが、ようやく返事が返ってきました。

返信が来たのは8月22日。結構ギリギリでした。

期限切れの二日前にAttestation de prolongation d’instruction という「ビザの審査を始めます。審査中は仮のこの書類で滞在していいよ!」というような書類が届きました。

完全なビザなし状態を避けることができてひとまず安心。

この書類があれば、現行のビザの効力を数ヶ月引き伸ばせるという旨の内容が記載されています。

よく見ると、この仮の書類で2023年8月23日から11月22までは、滞在できるという旨の記載があります。

一週間ほどで「Décision favorable」という書類が届く。

「Attestation de prolongation d’instruction」が届いて一週間ほどもなく、「Décision favorable」が発行されました。

内容は、「審査クリアしたから、ビザの実際の発行を待ってね!」というもの。

この通知書を持って、ビザの正式な発行が決定されたことになります。

審査開始するまでにあんなに時間がかかったのに、いざ審査が始めると、あっというまに新しい書類を発行してくれました。こんなに待たせなくてもよかったんじゃない!?という不満が高まりました。

レセピせ発行からビザの受け取りまで、約4ヶ月。

実際に滞在許可の審査が通ってから、実際に書類が発行されるまでがかなり長かったです。

その期間なんと、4ヶ月。

カードの発行に時間がかかるのか、それとも単純にカードの発行が後回しにされていたのかわかりませんが、とにかく時間がかかりました。

4ヶ月間、音沙汰が全くなかったので、メールで県庁に問い合わせをしてみたところ、「もうできてるよ!」というような返信を受け取りました。

「早く言えよ!」という気持ちになりましたが、どうしようもないので、県庁にカードを取りに行くための予約をとり、ひとまず落ち着くことができました。

今回は自分か問い合わせをしたから、「できてるよ!」という返事をもらえました。

「自分から申請に行かなかったら、今も待ち続けていたのか。」と思うとゾッとします。

メールの内容はこんな感じでした。

ビザの受け取りも、結構めんどくさい。

カードを取りに行くにしても県庁に予約を予めとって、「この日の何時に行きます」というふうにしておかないと、実際にカードを受け取ることができません。

また、カードの発行にあたって、あらかじめ購入していた75ユーロ分の税金印紙を持っていく必要がありました。

在留カードの受け取りに必要だったもの
  • パスポート
  • 現行のビザ
  • 75ユーロ分の税金印紙
  • 「Décision favorable」書類
  • 予約表

予約をとっていても、県庁の中で数十分は待つ必要がありました。自分の番が呼ばれると必要な書類をみせ、窓口の人が自分のカードを撮りに行ってくれました。

もらったカードに間違いがないかどうか確認して、ついにカードの正式な受け取りをすることができました

7月の申請から、実際にカードを受け取るまでに5ヶ月間もかかりました。

やっとのことで手に入れたカードは、殊更嬉しいです。

フランス・学生ビザ更新をする人へのアドバイス

  • フランスのビザは発行までに時間がかかる。
  • 「おかしいな」と思ったら、フランスの行政機関に連絡しよう

フランスの行政は基本的に時間がかかります。

基本的に待つことで問題が解決することも多いですが、あまりにも遅い、返信がなんかおかしいというような場合は、迷わずメールを送るなど、何かしらのアクションを起こすようにしましょう。

今回の自分のように、メールを送ることで自分の書類の状況を知ることもできます。

待っている間に滞在許可が切れてしまって、不法滞在にならないように、なるべく状況確認のメールは当局に送るようにするといいとと思います。

毎年7月くらいになると、多くの学生がビザの更新に動き出します。

更新の状況を共有し合う友達が身近にいると、心強いです。

私もフランスに正規留学をしにきている友人とビザの発行状況について、多く連絡を取り合って、お互い励まし合っていました。

初めてのビザの更新は大変なことも多いかと思いますが、誰もが必ずやらなくてはいけないことです。試練だと思って頑張って乗り越えてください!